今回の宿題は「貯蓄型保険の解約金の使い道を知ろう」です。
前回87日目では、元本割れしていても、過去に払った保険料だけに引っ張られず、今後の保険料、保障、解約返戻金、代替手段を比較して見直すことを学びました。
88日目では、生命保険や医療保険について、公的保障と自分の貯蓄を確認し、家計だけでは受け止めにくい大きな損失に対して、必要な範囲だけ民間保険を使う考え方を整理しました。
今回の89日目は、その先です。
貯蓄型保険を解約すると、解約返戻金としてまとまったお金が戻ってくることがあります。
そのお金は、これまで高い保険料や商品コストを負担しながら積み上げてきた大切なお金です。
僕が今回学んだのは、そのお金を何となく普通預金へ置いたままにしたり、反対に勢いで全部投資したりするのではなく、「いつ使うお金なのか」で分けることです。
すぐに必要になるお金。
数年以内に使う予定があるお金。
10年以上使わない長期資金。
同じ100万円でも、目的によって置き場所は変わります。
長期間使わない余剰資金であれば、NISAなどの非課税制度を使い、全世界株式などへ広く分散された低コストの投資信託で長期運用することは、有力な選択肢の一つです。
僕の中では、「高い手数料を払う貯蓄型保険から、よりシンプルで低コストな資産形成へ移す」という流れとして理解しました。
ただし、オルカンなどの投資信託も元本保証ではありません。
株式市場が下落すれば、一時的に大きく値下がりすることがあります。
そのため、生活費まで投資するのではなく、生活防衛資金を確保したうえで、長期間使わないお金を投資へ回すことが大切です。
今回公開後の進捗
解約金は「まとまった臨時収入」ではない
貯蓄型保険を解約すると、まとまったお金が口座へ戻ってきます。
その金額を見ると、臨時収入のような感覚になることがあります。
しかし、このお金は突然もらったボーナスではありません。
これまで自分が支払ってきた保険料の一部が解約返戻金として戻ってきたものです。
場合によっては、払込保険料総額より少ない状態で戻ってきます。
だからこそ、
旅行に使う
高額な買い物をする
何となく生活費で少しずつ使う
という使い方をする前に、「このお金は何のためのお金だったのか」を考えることが大切です。
もともと老後資金として貯蓄型保険へ入れていたなら、解約後も老後資金として管理する。
教育費のためだったなら、教育費として安全性を優先して管理する。
目的を引き継ぐことが大切です。
最初に生活防衛資金を確認する
解約金が戻ったとき、最初に確認したいのが生活防衛資金です。
生活防衛資金とは、病気、失業、収入減、家電の故障、急な引っ越しなど、予想外の支出が起きたときに生活を維持するための現金です。
このお金は、投資に回さず、普通預金などすぐ使える形で置いておく意味があります。
株式投資は長期では成長を期待できますが、必要なタイミングで価格が下がっている可能性があります。
生活費が足りなくなったときに投資信託が30%下落していれば、安い価格で売らなければなりません。
そのため、
生活防衛資金
と
長期投資資金
は分けます。
解約金が100万円戻ってきたからといって、100万円すべてをその日に投資する必要はありません。
数年以内に使うお金も投資しない
生活防衛資金だけでなく、数年以内に使う予定が決まっているお金も、株式投資へ回すには注意が必要です。
たとえば、
- 車の買い替え
- 引っ越し
- 住宅の修繕
- 教育費
- 結婚費用
- 医療費
- 家電の買い替え
など、近い将来使う可能性が高いお金です。
株式市場は短期では大きく変動します。
長期では回復を待てるとしても、3年後に必ず使うお金なら、下落時に売却しなければならない可能性があります。
投資するお金は、
「10年以上使う予定がない」
など、価格が下がっても待てる資金にする方が考えやすいです。
高金利の借金があるなら返済も有力な使い道
解約金の使い道を考えるとき、高金利の借金がある場合は投資より先に比較する必要があります。
たとえば、カードローンやリボ払いなどで年10%以上の利息を払っている一方、投資では将来のリターンが保証されていません。
借金を返済すれば、その金利負担は確実に減ります。
投資で年10%を安定的に得られる保証はありません。
そのため、
高金利の負債を残したまま投資する
という状態が合理的か、家計全体で確認します。
解約金を投資へ回す前に、
高金利負債がないか
生活防衛資金は足りているか
近く使う予定のお金は確保できているか
を確認します。
長期で使わない余剰資金なら投資を検討する
ここまで確認したうえで、
生活防衛資金がある
高金利の借金がない
数年以内に使う予定がない
長期間価格が下がっても保有できる
というお金であれば、投資を検討できます。
金融庁は、安定的な資産形成では長期・積立・分散投資が有効な選択肢の一つとしています。
長期投資では、時間をかけて複利効果を得やすくなります。
積立投資では、一度に高値で買ってしまうリスクを分散しやすくなります。
分散投資では、一つの会社や一つの国だけへ集中するより、特定のリスクから受ける影響を抑えやすくなります。
貯蓄型保険を解約して戻ったお金を長期資産形成へ使うなら、この3つを意識することが大切です。
手数料の低さは長期投資で重要
貯蓄型保険を見直した理由の一つが、商品コストの高さだった場合、解約後に選ぶ金融商品でも手数料を確認する必要があります。
投資信託には、主に、
- 購入時手数料
- 信託報酬
- 信託財産留保額
- その他の運用コスト
などがあります。
特に信託報酬は、保有している間継続して差し引かれます。
1年では小さく見える差でも、10年、20年と続けば運用成果へ影響します。
金融庁も、長期投資では信託報酬などのコストが運用成果へ大きく影響すると案内しています。
つみたて投資枠の対象商品は、長期・積立・分散投資に適した一定の基準を満たす投資信託に限定されています。
だからこそ、解約した貯蓄型保険から別の商品へ移るときも、
高い手数料の商品から、また高い手数料の商品へ乗り換える
ということは避けたいところです。
オルカンは全世界へ広く分散する選択肢の一つ
今回、僕が学んだ選択肢の一つが、いわゆる「オルカン」です。
一般に「オルカン」と呼ばれている商品として、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)があります。
この投資信託は、全世界の株式市場へ広く分散投資するインデックスファンドです。
日本だけ。
米国だけ。
特定の企業だけ。
という投資ではなく、世界中の株式へ広く分散する考え方です。
金融庁のつみたて投資枠対象商品にも、全世界株式へ投資する複数のインデックスファンドが含まれています。
ただし、
「オルカンなら絶対に儲かる」
「元本割れしない」
という商品ではありません。
世界的な株価下落があれば基準価額は下がります。
為替の影響も受けます。
長期保有を前提としていても、将来の利益は保証されていません。
そのため、オルカンは「正解そのもの」ではなく、
低コスト
広い地域分散
長期投資との相性
という特徴を持つ選択肢の一つとして考えます。
NISAを使う理由
長期投資を行う場合、NISAを利用する選択肢があります。
通常、投資で得た売却益や配当・分配金には税金がかかります。
NISA口座で対象商品を運用した場合、制度の範囲内で運用益が非課税になります。
現在のNISAには、
つみたて投資枠
成長投資枠
があります。
つみたて投資枠では、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託が対象です。
金融庁は対象商品一覧を公開しており、2026年9月30日時点でも更新されています。
貯蓄型保険の解約金を長期投資へ回す場合、課税口座で投資する前に、NISAの非課税枠を使えるか確認する価値があります。
一括投資と積立投資は分けて考える
解約金としてまとまった100万円、200万円が戻ると、
全部一括で投資するべきか
少しずつ積み立てるべきか
迷うことがあります。
数学的には、市場が長期的に上昇する前提なら、早く市場へ投入した方が期待値は高くなりやすいという考え方があります。
一方で、一括投資の直後に大きな下落が起きると、心理的な負担が大きくなります。
積立投資なら、購入時期を分散できます。
重要なのは、
どちらが絶対に正しいか
ではなく、
下落しても投資を続けられる方法か
です。
まとまった金額を一度に入れることに不安が強いなら、数か月から一定期間に分ける方法もあります。
投資は、途中で怖くなって全部売ってしまうと、長期投資のメリットを生かしにくくなります。
自分が続けられる方法を選ぶことが重要です。
「高い手数料の商品から低コスト商品へ」という視点
今回の宿題の言葉に、
「ぼったくり投資信託から優良投資信託へ」
という考え方があります。
僕はこれを、
高コストで複雑な商品から、低コストで仕組みが分かりやすい商品へ移す
という意味で理解しました。
貯蓄型保険では、
保障
運用
解約条件
為替
手数料
などが一つに組み合わされることがあります。
一方、低コストのインデックス投資信託なら、
どの指数に連動するか
信託報酬はいくらか
どの地域へ投資するか
が比較的分かりやすいです。
資産形成では、
自分が何を持っているのか
どんなコストを払っているのか
どのリスクを取っているのか
を説明できる状態が大切です。
投資信託も手数料ゼロではない
低コスト投資信託だからといって、完全に費用がゼロになるわけではありません。
信託報酬や、ファンド内部で発生する売買費用などがあります。
また、指数と完全に同じ成績になるわけではありません。
ファンドによっては、
純資産総額
運用期間
信託報酬
実質コスト
ベンチマーク
運用会社
などが異なります。
「NISA対象だから全部同じ」
「全世界株式と書いてあるから全部同じ」
ではありません。
金融庁の対象商品一覧は最初の絞り込みとして便利ですが、最終的には目論見書や運用報告書も確認します。
解約金を一度に使い切らない
まとまった解約金が戻ると、
今まで我慢して保険料を払ってきたから少し使いたい
という気持ちが出ることもあります。
少額を楽しみに使うこと自体が悪いわけではありません。
しかし、老後資金や資産形成のために積み立ててきたお金なら、目的ごと消費へ変えてしまうと、これまでの積み立てが途切れます。
そのため、解約前に使い道を決めておくのが有効です。
たとえば、
生活防衛資金として30万円
近く使う予定として20万円
長期投資として50万円
というように、先に分けます。
お金が口座へ入ってから考えるより、使い道を決めてから解約する方が管理しやすくなります。
解約金を再び高コスト商品へ入れない
貯蓄型保険を解約すると、金融機関や保険会社から別の商品を提案されることがあります。
その際、
今度はこちらの外貨建て商品へ
年金型の商品へ
別の運用商品へ
と乗り換えると、再び販売手数料や複雑なコストを負担することがあります。
前回までに学んだように、商品を乗り換えるときは、
誰が利益を得るのか
自分にとってコストはいくらか
商品を理解できるか
途中で現金化できるか
を確認します。
解約金は「次の商品を買うためのお金」ではありません。
一度現金に戻し、自分の目的に合わせて再配置します。
投資しないという選択も間違いではない
貯蓄型保険を解約したからといって、必ず投資しなければならないわけではありません。
価格変動に耐えられない。
数年以内に使う。
生活防衛資金が足りない。
借金返済を優先したい。
こうした場合には、普通預金や定期預金などで持つ方が目的に合うことがあります。
投資は、増やす可能性がある代わりに、減る可能性も受け入れる必要があります。
そのリスクを取る必要がないお金まで投資する必要はありません。
僕が今回学んだこと
今回、貯蓄型保険の解約金の使い道について学びました。
僕の中では、
高い手数料を払って戻ってきた大切なお金を、また高コストの商品へ入れない
という点が一番印象に残りました。
長期間使わないお金で、生活防衛資金も確保できているなら、NISAなどを使い、オルカンのような低コストで広く分散された投資信託を使って長期運用する。
この考え方を理解しました。
ただし、オルカンだから安全という意味ではありません。
世界中の株式へ分散されていても、株式市場全体が下落すれば価格は下がります。
投資に回すのは、下落しても売らずに待てるお金だけです。
また、生活防衛資金が足りないなら、まず現金を確保する。
高金利の借金があるなら、返済と比較する。
近く使う予定のあるお金なら、投資しない。
この順番を守ることが大切だと理解しました。
今回の宿題は理解・完了とします。
今回の伴走記録
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施日 | 2026年10月3日 |
| カテゴリ | 貯める力 |
| 通し番号 | 89日目 |
| 宿題名 | 貯蓄型保険の解約金の使い道を知ろう |
| 学んだこと | 解約金は臨時収入ではなく、自分が積み上げてきた資産として目的別に再配置する |
| 最初に確認 | 生活防衛資金、高金利負債、数年以内に使う予定の資金 |
| 長期資金 | 長期間使わない余剰資金なら、NISAを利用した低コスト・分散型投資信託を検討する |
| 投資信託の例 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)など、全世界株式へ広く分散するインデックスファンド |
| 注意点 | 投資信託は元本保証ではなく、相場下落や為替変動で評価額が下がることがある |
| 本人の学び | 高い手数料を払って戻ってきた大切なお金は、生活資金を確保したうえで、オルカンなどの低コスト投資信託による長期運用を選択肢にする |
| 判定 | 理解・完了 |
| 追加作業 | 解約金がある場合は、使う時期ごとに現金・返済・長期投資へ振り分ける |
| 追加出費 | 0円 |
| 貯める力の進捗 | 89/123 |
| 全体の進捗 | 89/345 |
読者が今日できる小さな行動
貯蓄型保険の解約金がある場合は、すぐ投資せず「1年以内に使うお金」「数年以内に使うお金」「10年以上使わないお金」に分ける。長期資金だけ、NISAのつみたて投資枠対象商品などから、低コストで広く分散された投資信託を比較する。
よくある質問
貯蓄型保険の解約金は全部投資した方がいいですか
一律にはおすすめできません。生活防衛資金、数年以内に使うお金、高金利の借金などを先に確認し、長期間使わない余剰資金だけ投資を検討します。
オルカンなら元本割れしませんか
元本保証ではありません。世界中の株式へ広く分散しますが、世界的な株価下落や為替変動によって評価額が下がることがあります。
オルカンは金融庁がおすすめしている商品ですか
金融庁が特定の商品を個別に推奨しているわけではありません。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、金融庁が公表するNISAのつみたて投資枠対象商品に含まれています。対象商品であることと、すべての人に最適であることは別です。
NISAを使えば損しませんか
NISAは利益を非課税にする制度であり、元本保証の制度ではありません。投資した商品の価格が下がれば損失が出る可能性があります。
解約金は一括投資と積立投資のどちらがいいですか
どちらにも特徴があります。一括投資は市場へ早く資金を投入できますが、直後の下落による心理的負担が大きくなることがあります。積立投資は購入時期を分散できます。自分が下落時にも続けられる方法を選びます。
投資信託は手数料が安ければ何でもいいですか
手数料だけでは判断しません。投資対象、分散範囲、ベンチマーク、純資産総額、運用実績、信託報酬などを確認します。
数年後に使うお金もNISAへ入れていいですか
NISA口座へ入れること自体はできますが、数年後に必ず必要な資金を価格変動の大きい株式型投資信託へ入れると、必要な時期に値下がりしている可能性があります。使う時期とリスクを合わせることが重要です。
参考にした公開情報
投資信託には価格変動リスクがあり、元本は保証されません。NISAは税制上の優遇制度であり、利益を保証する制度ではありません。実際の商品選択では、目論見書、信託報酬、投資対象、リスクなどを確認してください。
まとめ|解約金は目的を決めてから置き場所を選ぶ
今回の宿題では、貯蓄型保険を解約して戻ってきたお金の使い道を学びました。
一番大切なのは、解約金を臨時収入として扱わないことです。
これまで自分が積み立ててきた資産です。
まず生活防衛資金を確認する。
高金利の借金があれば返済と比較する。
近く使う予定のお金は現金で持つ。
そして、長期間使わない余剰資金だけ投資を検討する。
この順番です。
投資する場合は、高コストで複雑な商品へ再び入るのではなく、低コストで広く分散された投資信託を比較します。
僕が今回学んだ選択肢の一つが、オルカンなどの全世界株式インデックスファンドです。
ただし、オルカンも元本保証ではありません。
相場が下落すれば評価額は減ります。
だからこそ、長期で持てるお金だけを投資することが重要です。
貯蓄型保険を見直す目的は、単に保険を解約することではありません。
高いコストを払い続ける状態から抜け、自分の目的に合った場所へ資産を移すことです。
保険から戻ってきた大切なお金を、生活を守る現金と将来を育てる長期資産に分ける。
今回の宿題で、この考え方を理解できました。
89個目の宿題を完了し、貯める力は89/123、全体では89/345になりました。貯める力は残り34件です。
※本記事は、リベラルアーツ大学およびリベシティの公式記事ではありません。筆者が学んだ内容を、金融庁などの公開情報と照らし合わせて整理した非公式の個人実践記録です。
※本記事は、リベラルアーツ大学およびリベシティの公式記事ではありません。
筆者が学んだ内容や実際に取り組んだ結果を、初心者向けに整理した非公式の実践記録です。
会員向けコンテンツの全文や詳細を転載するものではありません。正式な内容や最新情報は、公式サイトまたはリベシティ内でご確認ください。
当サイトの情報は、特定の商品や投資行動を推奨するものではありません。最終的な判断は、ご自身の状況に合わせて行ってください。