今回の宿題は「将来受け取れる年金額を確認しよう(老齢年金)」です。
今回あらためて感じたのは、制度変更や給付水準の調整があっても、公的年金は老後対策の土台として確認しておく価値があるということです。
年金というと「将来本当にもらえるのか」「制度が変わるのではないか」という話題が目立ちます。
確かに、公的年金は固定された制度ではありません。賃金や物価の動きに応じて毎年度の年金額が改定され、人口構成や働き方の変化に合わせて制度改正も行われます。
しかし、だからといって「どうせ変わるから確認しても意味がない」と考えるのは違うと感じました。
老後の生活設計を考えるなら、まず公的年金でどの程度の収入を見込めるのかを確認し、その不足分を預貯金、NISAなどの資産形成、就労収入などで補う順番が分かりやすいからです。
さらに、公的年金は老後だけの制度ではありません。
日本の公的年金には、一定の年齢になったときの老齢年金だけでなく、病気やケガで一定の障害が残ったときの障害年金、加入者が亡くなったときに遺族へ支給される遺族年金があります。
つまり、公的年金は単なる老後貯金ではなく、人生の複数のリスクに備える社会保険です。
今回の宿題では、将来の年金額を「何となくこのくらいだろう」と想像するのではなく、自分の年金記録をもとに見込額を確認することの大切さを学びました。
個人の具体的な年金見込額は公開記事に記載する必要はありません。
大切なのは、自分自身が金額を把握し、その数字を老後計画の出発点にすることです。
今回公開後の進捗
公的年金は老後だけの制度ではない
公的年金について考えるとき、最初に整理しておきたいのが制度の役割です。
日本年金機構では、公的年金の主な給付として次の3つを案内しています。
- 老齢年金
- 障害年金
- 遺族年金
老齢年金は、一定の年齢になったときに受け取る年金です。
障害年金は、病気やケガによって一定の障害状態になった場合に、要件を満たす人が受け取る年金です。
遺族年金は、年金加入者などが亡くなったときに、一定の要件を満たす遺族が受け取る年金です。
前回82日目では遺族年金について学びました。
今回の老齢年金と合わせて考えると、公的年金は「老後に自分が積み立てたお金を返してもらうだけの制度」ではないことが分かります。
長生き、障害、死亡という人生の大きなリスクを社会全体で支える社会保険の一つです。
この役割を理解すると、「自分が払った保険料と老後にもらう金額だけ」を比較して損得を判断するだけでは制度全体を捉えられないと分かります。
老齢年金には基礎年金と厚生年金がある
老齢年金を確認するときは、まず2階建ての仕組みを理解します。
国民年金から支給されるのが老齢基礎年金です。
会社員や公務員などとして厚生年金へ加入した期間がある人は、条件を満たすと老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金を受け取ります。
そのため、同じ年齢の人でも将来の年金額は同じではありません。
国民年金保険料を納めた期間、免除期間、厚生年金へ加入した期間、現役時代の報酬などによって年金額が変わります。
他人の「年金は月いくらだった」という話を、そのまま自分の将来額として考えることはできません。
自分の年金記録を確認することが必要です。
老齢基礎年金は原則65歳から
日本年金機構によると、老齢基礎年金は、保険料納付済期間や保険料免除期間などを合計した受給資格期間が10年以上ある場合、原則として65歳から受け取れます。
20歳から60歳までの40年間について保険料をすべて納めるなど、満額の要件を満たせば、その年度の満額を受け取ります。
ただし、免除期間や未納期間などがある場合は、満額と同じになるとは限りません。
ここも重要です。
「国民年金に加入しているから、将来は全員同じ満額を受け取る」とは限りません。
自分の加入記録に漏れや未納がないか確認することが、将来額を知る第一歩になります。
2026年度の老齢基礎年金の満額
2026年度、つまり令和8年度の老齢基礎年金の満額は、日本年金機構によると、昭和31年4月2日以後生まれの人で月額70,608円です。
年額にすると847,300円です。
昭和31年4月1日以前生まれの人は月額70,408円です。
2025年度と比べると、2026年度の国民年金の年金額は1.9%引き上げられました。
ただし、この「月額70,608円」は老齢基礎年金を満額受け取る場合の数字です。
厚生年金へ加入していた人は、条件に応じて老齢厚生年金が加わります。
反対に、保険料の未納期間などがあれば老齢基礎年金が満額より少なくなる場合があります。
今回の宿題で確認したいのは、この一般的な満額ではなく、自分自身の年金記録から計算される見込額です。
「標準的な年金額」は自分の年金額ではない
2026年度について、日本年金機構は「厚生年金の標準的な年金額」として、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む月額237,279円という例を示しています。
この数字を見て、「夫婦なら全員月23万円ほどもらえる」と理解してはいけません。
これは、平均的な収入で40年間就業した場合など、一定のモデル条件に基づく例です。
実際の老齢厚生年金は、本人の厚生年金加入期間や過去の標準報酬などによって変わります。
老後資金を計算するときは、ニュースなどで紹介される「モデル年金額」ではなく、自分の見込額を使う必要があります。
将来の年金額は「ねんきんネット」で確認できる
将来の年金額を確認する方法として便利なのが、日本年金機構の「ねんきんネット」です。
ねんきんネットでは、自分の年金記録を確認できるだけでなく、将来受け取る老齢年金の見込額を試算できます。
現在と同じ条件で働き続ける場合の簡易的な試算だけでなく、
- 今後の働き方
- 収入の予定
- 退職する年齢
- 年金を受け取り始める年齢
など、条件を変えた試算もできます。
複数の試算結果を比較する機能もあります。
たとえば、
65歳から受け取る場合
仕事を続けながら受け取る場合
受給開始を遅らせる場合
などを比較することで、老後の生活設計を考えやすくなります。
ただし、ねんきんネットの試算額も将来の支給額を保証するものではありません。
今後の働き方、加入記録、年金額改定、制度改正などによって実際の金額は変わる可能性があります。
それでも、何も確認せずに老後資金を考えるより、現在の記録をもとにした見込額を知る方がはるかに具体的です。
ねんきん定期便も確認する
ねんきんネット以外にも、毎年届く「ねんきん定期便」で自分の年金記録を確認できます。
年齢によって表示される内容は異なりますが、加入記録や年金見込額などを確認する材料になります。
ねんきん定期便が届いたら、金額だけを見るのではなく、加入期間に漏れがないか確認することも大切です。
以前勤めていた会社の厚生年金記録や、国民年金へ切り替えた時期など、自分の記憶と記録が一致しているか見ます。
長い期間働いていると、昔の勤務先や加入期間をすべて正確に覚えているとは限りません。
間違いに気づいたときは、後回しにせず年金事務所などへ確認します。
老後資金は「必要額-公的年金」で考える
老後に必要なお金を考えるとき、いきなり「老後資金2,000万円」「3,000万円」といった大きな数字を目標にすると、不安だけが先に大きくなります。
まず確認するのは、老後に必要な生活費です。
次に、公的年金として毎月どの程度の収入を見込めるのかを確認します。
その差額が、自分で準備すべき老後資金の基本になります。
考え方を単純化すると、
老後の年間支出 - 年間の公的年金収入 = 自分で補う年間不足額
です。
そこへ、
- 何歳まで働くか
- 退職金があるか
- 預貯金はいくらあるか
- NISAなどの金融資産があるか
- 住居費はいくらか
- 老後も働く予定があるか
などを加えて考えます。
公的年金の見込額を知らないまま老後資金を計算すると、必要額を過大にも過小にも見積もる可能性があります。
公的年金は「終身」という大きな役割を持つ
老齢年金の大きな特徴は、支給要件を満たして受給が始まれば、生存している限り支給が続く終身年金であることです。
老後の大きなリスクの一つは、「何歳まで生きるか分からないこと」です。
自分で貯めた預金や金融資産は、使えば残高が減ります。
90歳まで生きるのか、100歳まで生きるのかによって、必要な資産額は変わります。
一方、公的な老齢年金は、生きている限り一定の仕組みに基づいて給付が続きます。
このため、公的年金は長生きリスクへ備える重要な土台になります。
老後資金をすべて預金だけで準備するのではなく、「終身で入ってくる公的年金がどれくらいあるか」を知ったうえで資産を準備することが重要です。
繰上げ受給と繰下げ受給もある
老齢年金は原則65歳からですが、条件に応じて受給開始時期を変更できます。
60歳から65歳になるまでの間に早めて受け取る繰上げ受給があります。
一方、66歳以降75歳まで受給開始を遅らせる繰下げ受給があります。
繰上げ受給では年金額が減額され、原則としてその減額率が生涯続きます。
繰下げ受給では、遅らせた期間に応じて年金額が増額されます。
どちらが絶対に得かは、寿命、健康状態、働き方、資産、家族状況などで変わります。
今回の宿題で大切なのは、受給開始年齢を今すぐ決めることではありません。
ねんきんネットで受給開始時期を変えた試算を比較できることを知り、必要な時期に自分の生活に合わせて判断できるようにすることです。
制度変更があるからこそ定期的に確認する
年金制度は今後も変わる可能性があります。
2025年に成立した年金制度改正法では、社会保険の適用拡大、在職老齢年金制度の見直し、遺族年金の見直し、標準報酬月額の上限引き上げ、iDeCoの加入可能年齢の引き上げなどが盛り込まれました。
2026年4月からは、働きながら老齢厚生年金を受け取る人に関係する在職老齢年金の支給停止基準額も65万円へ引き上げられています。
また、将来の基礎年金の給付水準についても、今後の社会経済情勢や財政検証を踏まえ、一定の場合には給付水準の低下を抑えるための措置を講じる規定が設けられています。
制度が変わる可能性があることは、「年金を確認しても無駄」という理由にはなりません。
むしろ、制度が変わるからこそ、数年に一度は最新の見込額を確認し、老後計画を修正する必要があります。
一度確認した数字を何十年も固定して使うのではなく、家計簿や資産形成と同じように定期的に更新する数字だと考えます。
2026年度は年金額が増えたが物価も考える
2026年度の年金額は、前年度より名目上増えています。
日本年金機構によると、2026年度は老齢基礎年金が1.9%、厚生年金の報酬比例部分が2.0%引き上げられました。
一方、年金額の改定では賃金や物価の動きとともに、マクロ経済スライドによる調整も行われています。
2026年度の参考指標では、物価変動率はプラス3.2%、名目手取り賃金変動率はプラス2.1%でした。
つまり、「年金額が増えたから生活がその分だけ楽になる」と単純には言えません。
老後計画では、受け取る年金の名目額だけでなく、物価上昇によって生活費がどう変わるかも考える必要があります。
年金を過信もしない、無視もしない
公的年金については、極端な考え方になりやすいと感じます。
「年金があるから老後資金は何も準備しなくていい」
という考え方も危険です。
反対に、
「将来は年金がもらえないから、計算に入れる意味がない」
と最初からゼロとして扱うのも、現在の制度を前提にした老後計画としては現実的ではありません。
現時点の加入記録と制度をもとに見込額を確認する。
制度が変わったら見直す。
不足分は自分で準備する。
この中間の考え方が一番使いやすいと感じました。
公的年金と自分の資産形成は役割が違う
公的年金とNISAなどの資産形成は、どちらか一方を選ぶものではありません。
公的年金は、老齢、障害、死亡などに備える社会保険です。
一方、自分で積み立てる預貯金や投資資産は、生活の自由度を高めたり、公的年金だけでは不足する生活費を補ったりするために使えます。
老後対策では、
公的年金を確認する
生活費との差額を確認する
不足分を貯蓄や資産形成で準備する
という順番が分かりやすいです。
今回の宿題で、公的年金を「不確実だから無視するもの」ではなく、「現時点で確認できる老後収入の土台」として使う考え方を整理できました。
今回の本人学習記録
今回、将来受け取れる年金額について学習しました。
制度変更や給付水準の調整があるという話を聞くと、公的年金に対して不安を感じることがあります。
しかし、公的年金は老後の生活費を支えるだけの制度ではありません。
病気やケガで一定の障害が残ったときには障害年金、加入者が亡くなったときには遺族年金があり、老齢・障害・死亡という人生のリスクを保障する社会保険です。
老後についても、公的年金を無視して全部自分で準備するのではなく、まず自分の見込額を確認し、その不足分を自分の資産で補う方が現実的だと理解しました。
また、年金額は制度改正や毎年度の改定で変わります。
だからこそ一度確認して終わりではなく、ねんきんネットなどで定期的に見直すことが大切です。
今回の宿題では、自分の年金額を公開することが目的ではありません。
自分自身が将来の見込額を把握し、老後の家計計画へ使える状態にしておくことが目的です。
具体的な個人の見込額はプライバシーに関わるため、公開記事には記載しません。
今回の宿題は理解・完了とします。
今回の伴走記録
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施日 | 2026年9月27日 |
| カテゴリ | 貯める力 |
| 通し番号 | 84日目 |
| 宿題名 | 将来受け取れる年金額を確認しよう(老齢年金) |
| 学んだこと | 公的年金は老後だけでなく、障害や死亡の場合にも所得を保障する社会保険であり、老後対策ではまず自分の年金見込額を確認することが重要 |
| 老齢基礎年金 | 受給資格期間が原則10年以上あれば65歳から受給可能。2026年度の満額は対象世代で月額70,608円 |
| 老齢厚生年金 | 厚生年金の加入期間や報酬などに応じて老齢基礎年金へ上乗せされる |
| 確認方法 | ねんきんネットやねんきん定期便で年金記録と将来の見込額を確認する |
| 制度変更への考え方 | 制度は改正される可能性があるため、見込額をゼロ扱いするのではなく定期的に最新情報へ更新する |
| 本人の理解 | 制度変更があっても、公的年金は老後対策の土台として確認しておく価値がある。公的年金を確認してから不足分を自分の資産で補う |
| 公開方針 | 個人の具体的な年金見込額は公開しない |
| 判定 | 理解・完了 |
| 追加作業 | 定期的にねんきんネットで記録と見込額を再確認する |
| 追加出費 | 0円 |
| 貯める力の進捗 | 84/123 |
| 全体の進捗 | 84/345 |
読者が今日できる小さな行動
ねんきんネットまたは最新のねんきん定期便を開き、自分の年金記録と将来の年金見込額を確認する。金額をSNSやブログへ公開する必要はなく、自分の老後計画のために把握しておくだけで十分です。
よくある質問
老齢年金は何歳から受け取れますか
老齢基礎年金は、受給資格期間が原則10年以上ある場合、原則65歳から受け取れます。条件に応じて60歳から65歳になるまでに繰上げたり、66歳以降75歳まで繰下げたりする制度もあります。
2026年度の国民年金はいくらですか
老齢基礎年金を満額受け取る場合、昭和31年4月2日以後生まれの人は月額70,608円です。実際の受給額は納付期間や免除期間などによって異なります。
厚生年金なら月23万円もらえますか
2026年度に公表されている月額237,279円は、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む一定条件の標準的なモデル額です。全員が同じ金額を受け取るわけではありません。自分の見込額はねんきんネットなどで確認します。
ねんきんネットの金額は将来必ずもらえますか
将来の年金額を試算するための目安です。今後の加入状況、働き方、受給開始時期、年金額の改定、制度改正などにより実際の支給額は変わる可能性があります。
年金制度が改正されるなら確認しても意味がないですか
意味があります。現時点の制度と加入記録をもとに見込額を把握することで、不足する老後資金を考えられます。制度や働き方が変わったときに再試算して計画を更新します。
公的年金は老後だけの制度ですか
老齢年金だけではありません。要件を満たせば、病気やケガで一定の障害状態になったときの障害年金や、加入者などが亡くなったときに遺族へ支給される遺族年金があります。
年金見込額をブログやSNSに公開した方がいいですか
公開する必要はありません。年金見込額は個人の家計情報です。自分自身が老後計画のために把握できていれば十分です。
参考にした公開情報
- 日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「ねんきんネット」の概要
- 日本年金機構「年金を受け取る(請求する方)」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」
年金の受給要件、年金額、制度内容は毎年度の改定や制度改正によって変わる場合があります。実際の年金見込額や加入記録は、日本年金機構のねんきんネット、ねんきん定期便、年金事務所などで最新情報をご確認ください。
まとめ|公的年金の見込額を老後計画の出発点にする
今回の宿題では、将来受け取れる老齢年金について学びました。
公的年金は、老後だけのための制度ではありません。
老齢年金、障害年金、遺族年金を通じて、長生き、障害、死亡という大きな生活リスクを支える社会保険です。
老齢年金については、老齢基礎年金と、厚生年金加入者に上乗せされる老齢厚生年金があります。
2026年度の老齢基礎年金の満額は、対象世代で月額70,608円です。
ただし、実際に自分が受け取る金額は加入記録によって異なります。
だからこそ、一般的な年金額ではなく、ねんきんネットやねんきん定期便で自分の見込額を確認する必要があります。
制度改正や給付水準の調整があるからといって、公的年金を老後計画から外すのではありません。
現在確認できる見込額を土台にし、将来の生活費との差額を確認し、不足する部分を預貯金や資産形成で準備する。
制度や自分の働き方が変われば、その都度数字を更新する。
この考え方が、老後資金を必要以上に怖がらず、現実的に準備するために大切だと理解しました。
84個目の宿題を完了し、貯める力は84/123、全体では84/345になりました。貯める力は残り39件です。
※本記事は、リベラルアーツ大学およびリベシティの公式記事ではありません。筆者が学んだ内容を、日本年金機構・厚生労働省などの公的資料と照らし合わせて整理した非公式の個人実践記録です。
※本記事は、リベラルアーツ大学およびリベシティの公式記事ではありません。
筆者が学んだ内容や実際に取り組んだ結果を、初心者向けに整理した非公式の実践記録です。
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